「BREXITで経済が不安定になったはずなのに、なぜポンドはこんなに強いのか?」
この疑問はもっともです。通常、政治的な不確実性は通貨安の要因となります。しかし、ポンドはそうした常識を覆し、対円で上昇を続けています。その「謎」の核心に迫りましょう。
BREXITがもたらしたもの:ポンド安のシナリオはどこへ?
2016年の英国のEU離脱決定は、世界中に衝撃を与えました。当時は、欧州との貿易関係の悪化や海外からの投資減少が懸念され、ポンドは大きく下落しました。多くの専門家が「BREXITはポンド安の長期的な要因となる」と予測していました。
しかし、その後のポンドは、たしかに一時的な下落はあったものの、対円では見事に回復し、現在に至るまで高値圏を維持しています。
謎を解く鍵は「インフレ」と「金利」
ポンド高の最大の要因は、BREXITがもたらした**「高インフレ」、そしてそれに対処するための「高金利」**にあります。
BREXITがインフレを加速させた? EU離脱によって、英国はEUとの貿易障壁に直面しました。これにより、輸入コストが増加し、サプライチェーンが混乱。さらに、EUからの労働力の流入が減少し、人件費も上昇しました。これらの要因が複雑に絡み合い、英国のインフレ率は高止まりを続けました。
インフレ退治のための「超強気」な利上げ インフレを放置すれば経済が不安定になります。そのため、英国の中央銀行であるイングランド銀行(BOE)は、インフレ退治を最優先事項とし、政策金利を大幅に、そして断続的に引き上げ続けました。
日銀との「圧倒的な金利差」 一方、日本銀行は経済の先行き不透明感から、長らく超低金利政策を維持してきました。
こうして、英国の「高インフレ→高金利」というサイクルと、日本の「低インフレ→低金利」というサイクルの間で、歴史的な金利差が生まれました。この金利差が、BREXITによるネガティブな側面を上回るほどの強力なポンド買い要因となっているのです。
今後の展望:この「謎」はいつまで続く?
現在のポンド高は、英国の「高金利」という柱に支えられています。したがって、この柱が揺らぐ時、ポンドの動向にも変化が訪れるでしょう。
英国のインフレ鈍化: インフレが落ち着き、BOEが利下げに踏み切れば、金利差は縮まり、ポンド/円は下落圧力を受けるでしょう。
日銀の金融政策正常化: 日本銀行が利上げに踏み切れば、円の価値が見直され、ポンド/円は下落する可能性が高まります。
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