前回の記事に続いて、次は南アフリカです。
サッカーのワールドカップ以降、少し低迷気味な南アフリカですが
まずは政策金利からみていきます。
南アフリカの政策金利は、インフレ抑制のための利上げ局面を経て、現在はインフレの鈍化と経済の安定化を受けて段階的な利下げ局面にあります。
南アフリカ準備銀行(SARB)は、2023年に政策金利をピークまで引き上げた後、2024年以降は慎重に利下げを進めています。
南アフリカ政策金利の近年の状況(2023年~2025年11月)
1. 🔺 利上げサイクルのピークと高水準の維持
メキシコと同様に、南アフリカも世界的なインフレ高騰に対抗するため、2023年初頭まで政策金利(レポ金利)を段階的に引き上げました。
インフレターゲット: SARBは消費者物価指数(CPI)の**前年比3%~6%**を目標範囲としており、インフレ率をこの範囲の中央値(4.5%)に収束させることを目指しています。
高水準での据え置き: 政策金利は一旦高い水準でピークに達した後、インフレが目標範囲の上限を超えないよう、長期にわたって高水準で維持されました。
2. ⬇️ 2024年以降の利下げ開始
インフレ率が目標範囲内(特に下限近傍)で推移し始め、経済の安定を踏まえて、SARBは2024年後半から段階的に利下げを開始しました。
利下げの再開と継続: 2024年後半以降、SARBは定期的な会合で金利を25ベーシスポイント(bp)ずつ引き下げる動きを見せました。
2025年11月時点の状況: 直近の会合(2025年11月20日頃)では、SARBは政策金利をさらに25bp引き下げ、**6.75%**としています。これは、昨年後半以降の利下げ局面で累計的な利下げが進んだ結果です。
📊 政策金利決定の主な要因
SARBが政策金利を決定する際に考慮する重要な要因は以下の通りです。
インフレ率: 最も重要な要因です。インフレ率が目標範囲(3%~6%)を逸脱しないか、そして目標中央値の4.5%に向かっているかが重視されます。
ランド(ZAR)相場の動向:
ランドの堅調さ: 米ドル高が再燃する中でも南アフリカ通貨ランドが比較的堅調に推移していることは、輸入物価の安定に繋がり、利下げを後押しする要因となります。
実質金利の魅力: 政策金利がインフレ率を上回る高い水準にあるため、実質金利の高さが継続的な海外投資(キャリートレード)を呼び込み、ランド相場を支えることが、利下げを可能にしています。
経済の安定と成長: 南アフリカ経済は、慢性的な電力不足やグローバル経済の不確実性など、実体経済の不透明要因も多く抱えています。SARBは、景気を過度に冷やさないよう、利下げのペースを慎重に判断しています。
地政学的・投資環境: FATFグレーリストからの除外や格付け機関による見通し改善などの投資環境改善の動きも、政策運営におけるプラス要因として考慮されています。
南アフリカの政策金利は、インフレ抑制と経済成長のバランスを取りながら、引き続きランド相場とインフレの動向に注意を払って運営されています。
そして経済分析に関しては
2026年の南アフリカ経済は、電力危機からの回復と政治的な安定という二つの大きな課題への対応が、成長軌道を左右する年になるでしょう。
1. 💡 成長の鍵:電力問題からの脱却
長年の経済成長の足かせであった慢性的な電力不足(ローリング・ブラックアウト)は、2026年が決定的な転換期となる可能性があります。
民間投資の拡大: 独立系発電事業者(IPP)や自家発電に対する規制緩和が進み、特に太陽光・風力発電への民間投資が本格的に稼働し始めると予想されます。
影響: 電力供給の安定化は、製造業や鉱業の生産性を劇的に改善し、経済成長率を押し上げる最大の要因となるでしょう。
2. 🏛️ 政治的安定と構造改革
2024年の選挙後の政治体制が2026年には本格的に機能します。
構造改革の加速: ニアショアリングやサプライチェーン再編の恩恵をアフリカにも取り込むため、港湾・鉄道などの物流インフラの民営化・効率化が重要課題となります。
投資環境の改善: 汚職対策やビジネス環境の透明性向上が進めば、国際的な評価がさらに高まり、外国直接投資(FDI)の増加が期待されます。
3. 📉 金融政策とインフレの安定化
利下げの恩恵: 2024年〜2025年にかけて実施された政策金利の利下げが、2026年には実体経済に浸透し、企業の借入コスト低減と個人消費の回復を促すでしょう。
ランド相場(ZAR): 国際商品価格(特に石炭、プラチナ、金)の動向や、先進国の金融政策に左右されやすいものの、電力問題の改善が進めば、ランドの信頼性も増し、安定的な推移が見込まれます。
🚨 留意すべきリスク要因
世界経済の減速: 主要な貿易相手国である欧州や中国の景気減速は、輸出に直接的な影響を与えます。
社会的不平等と雇用: 高止まりする若年層の失業率は社会的な不安の要因であり、包摂的な成長戦略が求められます。
💡 まとめ: 2026年の南アフリカは、インフラと政治の安定化が進めば、潜在的な成長力を発揮し、堅実な成長を達成する見通しです。
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